▲BFH認定証 赤ちゃんにやさしい病院とは赤ちゃんにやさしい病院、Baby Friendly Hospital(BFH)とは、WHO/ユニセフが世界中で認定するものです。 1991年から「母乳育児を成功させるための10カ条」を尊守し実践する施設を認定しています(下表)。グローバルな病院機能評価といえます。 当院は2007年8月「赤ちゃんにやさしい病院」に認定されました。現在国内のBFHは46施設です。 |
なぜ母乳育児なのでしょう母乳(breastmilk)は、人間という種のための特異性を持っており、乳幼児の食物としては,唯一無比に優れたものです。栄養学的優位性、免疫学的優位性があり、しかも衛生的で経済的です。下痢、下気道感染、中耳炎、細菌性髄膜炎、敗血症等のさまざまな感染症の頻度や重症度を減少させます。 一方、授乳(breastfeeding)する行為は、吸啜刺激を通じてオキシトシンとプロラクチンの分泌を促し、「子宮復古を早める、生理的に避妊する、母親の精神を安定させる、乳癌になりにくい」など、母体の健康に良い効果をもたらします。 そして直接吸啜(skin-to-skin contact)とプロラクチンは精神的・内分泌的に母性を刺激するmotheringと呼ばれる効果があり、母性の確立を促すことが知られています。 私達は豊かな母子関係を育むために母乳育児を推進しています。当院での主な母乳育児の取組み平成14年に出生直後からの母子同室としました。母子がいっしょにいることでお互いのリズムが同調し頻回の授乳となり母乳分泌が増加します。平成16年には出生直後のカンガルーケアを開始しました。分娩台で裸の我が子を抱いて授乳をさせるのです。滲む程度の少量の母乳ですが母乳分泌にも母子関係にも良い影響を与えます。 平成17年にはBFH推進委員会を設置し病院全体で取り組みました。 そして本年8月に富山で開催された母乳育児シンポジウムでのBFHの認定へと実を結びました。 |
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BFHI活動BFHに認定された施設は、同時にBFHI(Baby friendly hospital initiative)活動(母乳育児推進運動)を実践する役割を担います。周産期センターで研修する多くの看護学生・助産学生、臨床研修医に母乳育児を教育すること、そして国立病院機構あるいは福岡・九州の中で母乳育児を普及していくことも当院の役割と考えております。皆さんにも母乳育児の意義を理解していただき、母乳育児推進にご協力していただければ幸いです。 |
表 母乳育児成功のための10ヵ条
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