臨床教育部

脳卒中専門医への道

九州医療センター脳血管センターから「脳卒中専門医への道」

九州医療センター今日は現在、脳血管内科スタッフとして、また脳血管センター超音波診断部門チーフを務め、新進気鋭の脳血管専門医として活躍している緒方利安先生を紹介します。

緒方利安先生 まずこれまでの経歴を紹介ください


H9年 九州大学医学部卒

H9年 九州医療センター研修医
(脳血管内科で研修し、脳卒中のモーニングカンファレンスで鍛えられる。厳しい中にも暖かい指導を受けて脳卒中医療に興味を持つ)

H10年 九州大学附属病院研修医
(ここでは脳卒中のほかに腎臓高血圧内科、消化器科などのさまざまな内科疾患を広く勉強)

H11年 聖マリア病院脳神経センター脳血管内科
(脳外科医とともに外傷や神経系の重症救急疾患を多数経験、自信をつける)

H12-14年 国立循環器病センターレジデント
(峰松一夫部長)
(全国から集まった脳卒中専門医をめざす若き医師らとともに、脳卒中の病態、高度な超音波診断、臨床研究の基礎を学ぶ)

H15年 九州大学第二内科医員(脳循環研究室)(日本内科学会認定内科医を取得)

H16年 九州大学救急部医員 (脳循環グループより派遣され、広く救急疾患を経験する、
国立循環器病センター時代にまとめた中大脳動脈閉塞症の経頭蓋カラードプラ所見の研究に対して
卒後8年目で九州大学医学部より学位授与される)

H17年 国立病院機構九州医療センター脳血管センター脳血管内科スタッフ
(日本老年学会専門医を取得、超音波部門チーフとして多くの脳外科疾患の手術前後の病態診断に
関わるほか、超早期の虚血性脳血管疾患に対するrt-PA血栓溶解療法の現場で陣頭指揮をとってい
る)

H18年 国立病院機構 九州医療センター脳血管センター脳血管内科スタッフ
(卒後10年目で日本脳卒中学会 専門医に認定される。)


現在、九州医療センターの急性期脳卒中患者の診療、レジデント・研修医を指導しながら頸動脈超音波診断の臨床研究、超急性期薬物療法(rt-PAや脳保護薬、抗血栓薬など)の効果、モヤモヤ病など若年者の脳血管疾患などの臨床診断、臨床研究を精力的に行ないつつ、研鑽を積んで留学の準備もしているところです


脳卒中専門医への道 Q & A


Question なぜこの道を選んだのですか?

Answer
脳卒中はこれからとても増える病気で、心臓病に比べて3〜5倍も生じているのに専門医が少なく、とくに内科治療を専門とする医師が強く求められているからです。九大の関係者に脳卒中の専門がいたことも影響を受けていますね。

Question 脳血管内科って聞き慣れませんが、どんなところですか?

Answer
脳卒中を単に脳神経の障害の表れとしての神経疾患と考えずに、そのもとになる病気、たとえば高血圧、糖尿病、高脂血症、心房細動などの不整脈への対応も視野に全身の血管病の表れと捉えて、脳卒中発症後まもない時期から急性期、回復期、維持期の再発予防まで考えて診療します。そのほか臨床研究、若手医師・医療従事者の教育、情報発信も行っていくところです。CT,MRI,超音波検査、血管撮影などの高度な画像診断と精密な神経学的診察も得意とし、脳卒中のほか意識障害やてんかん、髄膜炎などの神経救急疾患にも速やかに対処します。もちろん脳神経外科との協調が必須で常にチーム医療で問題を解決しています

Question 脳の超音波って想像がつきませんが・・

Answer
頸動脈エコーや食道からのアプローチによる心臓検査、頭蓋内の脳血管への超音波検査などがあります。これらを通じて血管の動脈硬化度を判断したり、頭に脳梗塞を起こした原因を捜す検査です。脳卒中の臨床診断プロセスとしてこれからは必須のものになるでしょう

Question 今の九州医療センターでは研修で脳血管内科、脳卒中専門医は取得できますか?

Answer
九州医療センターは日本脳卒中学会教育認定施設ですから、当院で3年間研修すれば、資格を取得することができます。若い仲間と楽しく診療できることが嬉しいですね。他の若い専修医も資格の取得をめざして、はつらつと勉強しています。資格に必要な脳卒中関連の論文も、岡田先生や矢坂先生を中心とした指導体制が確立してますので、さほど難しくありません。

Question 脳卒中専門医の取得は難しかっったですか?

Answer
当院での研修に真面目に臨床に取り組めば、自然と知識がついてきますので、試験に合格するのはわりと容易です。勉強も普段の臨床で必要なことばかりですし、自分が全く知らないことを一から勉強し直すことはしませんでした。

Question 今後の予定は?

Answer
世界の脳卒中の現状と、最新の研究について学ぶべく、留学をしたいとは考えています。 ゆくゆくは、日本の医療のなかでも遅れている、脳卒中診療の進歩・普及に少しでも寄与できるような仕事ができれば、と思います。