CTとは、コンピュータ断層撮影装置(Computed Tomography)の略語です。身体にX線を照射し、透過したX線量の差をデータとして集め、コンピュータで処理することによりさまざまな角度の画像や3D画像を作成することができます。さまざまな目的で全身を検査しますが、特に脳内出血、肺の病気、お腹の病気、骨折の検出などに有効です。 検査方法には大きく分けて単純CTと造影CTの2種類があります。 単純CT検査造影剤という薬を使用しない検査です。仰向けに休んでいただいて、目的の部位を撮影する方法です。 |
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造影CT検査造影剤を静脈注射して撮影する検査です。造影剤は、目的部位をより鮮明にするために、また その性質を知るために、用いられる医薬品です。 |
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当院CT装置当院では、画像診断用として3台のマルチスライスCTが稼働しており、一日あたり110〜130件の検査をおこなっています。 |
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最新の320列検出器を搭載したX線CTは、0.5mmスライス厚で160mmの広範囲を1回転0.275秒の高速で撮影ができます。そのため、息止めが難しい患者さんや小児に優しい無理のない検査ができます。また頭部や心臓を1回転で撮影することが可能であり、大幅な被ばく低減を実現し、形態と機能画像診断の融合を可能にした装置となっています。特に、頭部領域では位相のズレが起こりにくくなり、位置合わせ精度の高い画像の減算(サブトラクション)処理が行えるようになっています。 また、常に拍動している心臓領域においても同様に画像のブレが少なく、心拍ごとの位置ズレのない高精度のデータを得ることができ、冠動脈の石灰化・プラークの描出、ステント留置後の評価に威力を発揮します。 |
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救急専用CT装置(救命救急センター内)当院は2019年1月より救命救急センターエリア内に救急専用CTを導入しました。救命救急センター内にCT室に配置することで放射線部門への移動を省略でき迅速な診断につなげています。
80列検出器を搭載したX線CTは、1回転0.35秒の高速撮影、高速画像再構成などにより、救急医療の現場で求められる迅速な診断・治療につなげるための高精細画像を速やかに提供しています。また「AIDR 3D」による低線量撮影や狭い場所が苦手な方にも安心して検査が可能な780mmの大口径ガントリー(穴が大きなトンネル)を取り入れており、患者さんの負担を抑えた検査を実現しています。 |
検査時間検査する部位や疾患にもよりますが、10分~20分位です。長い検査では、20分~40分位かかる場合もあります。 検査当日の食事について《頭部・頸部・胸部のみの検査》
造影剤の使用の有無にかかわらず、以下のように食事制限をお願いします。
服用薬について服用中のお薬については、医師・看護師からの指示がない限り、通常通り服用して下さい。※糖尿病治療を受けている方で食事制限がある場合は、内服や注射は行わずに来院して下さい。食事抜きで内服や注射をされますと低血糖になる恐れがあります。 検査前の準備金属・プラスチック・湿布などCT検査の妨げになる場合がありますので、なるべく身に付けないでご来院ください。金属などがある場合は、撮影衣に着替えていただきます。アレルギー(ヨードアレルギー、薬・食物などのアレルギー)がある方、妊娠している、または妊娠の可能性がある方は、必ず事前にお知らせください。 以前、CT検査を受けられて、変わったことがありましたら、予約をされるときに、医師や看護師にお知らせください。 |
検査中のお願いベッドに仰向けに休んで、身体の力を抜いて、リラックスしてください。できるだけ、身体を動かさないでください。検査中は、検査担当者とマイクを通して会話ができますので、ご安心ください。造影剤は、極めて副作用の少ない薬ですが、万一、気分が悪くなった場合は、必ずお知らせください。 |
食事やお風呂について検査後は、通常通りに食事を摂ったり、お風呂に入っても、差し支えありません。普段どおりの生活を送ってください。水分について造影剤は、尿として排泄されます。造影剤を使用した場合は、排泄を促進させるために、なるべく水分(お茶・水など)を多めにお取りください。副作用について検査終了後、まれに数時間から数日後に、頭痛、吐き気、かゆみ、蕁麻疹などの症状があらわれることがあります。何か症状が見られましたら、受診されている診療科にご連絡ください。 |
急変時対応訓練<重篤な副作用が起きた場合早急に対応できるように、放射線科医師、研修医、看護師と共に急変時対応訓練を行っています。異なる副作用の症状•環境など、あらゆるシチュエーションに対応できるよう実践さながら行っています。当院のスタッフは常に「準備」「意識」をしています。
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当院のCT撮影時のX線量についてCT検査は病気の発見や病気の治療効果をみるために行われますが、X線を使用するため、被ばくを伴います。 病気をみつけるメリットと、被ばくのデメリットを見極めて検査が行われます。医療被ばくの線量指標を示した「診断参考レベル(DRLs2020)」に基づき、撮影線量の最小化に取り組み、安心安全な検査を提供しています。当院は「医療被ばく低減施設」に認定されており、当院でCT撮影する際のX線量は以下のとおりで、どの部位でもおおむね診断参考レベルを下回る数値で検査を行っております。可能な限り少ない被ばく線量で済むよう、様々な努力を行っています。これも医療被ばく低減施設では必要なことです。これら放射線の事について不安な患者さん方へ全技師が対応でき、患者さんに安全な放射線診療を受けて頂けるよう、さらなる医療被ばくの低減を目指してこれからも活動していきます。(2020.9調査) |
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