肝臓・胆道・膵臓外科

トピックス

肝がんの治療法


肝がんの治療法 — 古くて新しいマイクロ波凝固壊死療法(MCN)

C型肝炎やB型肝炎のため肝炎をくり返し肝硬変へと進行する過程で発生する“原発性肝がん”は肝機能低下例が多い。また、大腸がん、胃がんや乳がんから肝臓に転移してくる“転移性肝がん”は多発している例が多い。そのためすべての患者さんに最も根治性の高い肝切除を行うことが出来ない場合がある。また一方、最近盛んに行われているラジオ波焼灼術(RFA)は、(1)肝臓が肋骨で守られていること。(2)空気の入っている肺がかぶっている場合。(3)肝臓の辺縁に存在して消化管などに近接している場合。(4)肝内の脈管に接している場合などのために、危険を伴ったり、肝がんが比較的高率に遺残されることがある。
 当肝胆膵外科で行っているMCNという治療法は、肝切除やRFAの弱点をすべてカバーできる優れた肝がんの治療法であるが、唯一の欠点は5cmからそれ以上開腹する必要があることである。
 MCNという治療は我々が行い始め、RFAより歴史は古いが、RFAは経皮的に施行出来ることから、日本では多数例に行われている。しかしながら、諸外国では最近RFAの欠点を補うことが出来る点から見直され始め、RFAからMCNへと大きくシフトされつつある。
 我々も1999年から2000年までの1年間、RFAを行っていた時期がある。しかし、“がんの中心を穿刺して加熱すること”は肝がんを飛散させているとの反省から、現在は行っていない。
 肝がんは肝動脈から栄養を受け、その血液は門脈へと抜けていくが、大きくなるにつれ内圧は上昇し、門脈へと腫瘍が排出され周辺に転移を形成するという発育増殖過程をへている。そこで、最近ではこの過程に注目し、まず支配する肝動脈や門脈を加熱して肝がんの勢いを削いで、それから肝がんの周辺から中心に向かって治療するという肝がんの発育増殖過程を強く意識した新たな工夫をMCNに加えて肝がんの治療に取り組んでいる。