歯科口腔外科

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口腔がんの治療


口腔は一般的に 1.頬粘膜 2.上歯肉/上顎歯肉 3.下歯肉/下顎歯肉 4.硬口蓋(口の中の上側の部分)5.舌 6.口腔底/口底(下の歯ぐきと舌の間)7.口唇のことを意味します。これらの部位にできた悪性腫瘍を「口腔がん」と呼びます。
 悪性腫瘍は一般的に「がん」として知られていますが、病理組織学的に漢字で「癌」と書くと悪性腫瘍のなかでも特に上皮由来の「癌腫」のことを意味します。専門的には「がん」と「癌」は同義語ではなく、平仮名の「がん」は「癌」「肉腫」「白血病、悪性リンパ腫などの血液悪性腫瘍」を含めた広義的な意味で使われます。
 口腔がんの90%以上は扁平上皮癌と呼ばれる「癌腫」が占めます。すなわち舌癌、歯肉癌、頬粘膜癌などを意味しますが、口腔癌の中では舌癌が最も多く、次に歯ぐきの癌となります。

 
ここでは口腔癌についてお話します。口腔癌治療では、口腔機能の温存、治療後の咀嚼・嚥下、発音の機能回復が重要となります。口腔癌の治療については、当科では口腔癌取り扱い規約、口腔癌診療ガイドライン(図1)に沿った治療を行っています。

当科の口腔癌治療(図2)の特徴としては、進行癌に対しては、超選択的動注化学放射線療法(図3)を行い、できるだけ癌を縮小させ手術を行います。この治療は、カテーテル抗がん剤治療とも呼ばれ、当科では放射線医により足の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、口腔の癌の部位に直接抗がん剤を注入する方法です。組織学的治療効果は非常に高く、当科の研究では症例の96%でグレードⅡb以上の効果が得られました。これらの研究結果は日本口腔腫瘍学会誌28巻2号2016年に論文掲載され、2017年に学会賞を受賞しました。


当院は、地域がん診療連携拠点病院であり、様々な科が協力してがん治療を行っています。当科でも治療の際は進行がんについては、放射線科、腫瘍内科、耳鼻科と口腔・頭頸部カンファレンスを行い治療方針を検討します。また、手術の際は形成外科と協力し口腔の再建を行います。さらに、全身合併症をお持ちの方は、医科各診療科での治療を併用しながら口腔がんの治療を行います。医科歯科が連携したチームでがん治療を行うことができるのも当科のがん治療の大きな特色の一つです。(図4)