小児科

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概要・基本方針

小児科の概要・基本方針

福岡都市圏の中での当院の役割は、
(1)早産・母体搬送例を中心とする地域周産期センターとしての新生児医療と
(2)開業小児科・休日時間外急患センターからの紹介患者の受け入れを主とした病院小児科・2次施設としての小児医療です。
小児科スタッフは6名で、平成25年は医長、曳野、神田、桐野、梯(1名欠員)という診療体制を取りました。

周産期センター(NICU)

産科と同じ4階東病棟で、新生児特定集中治療管理室(保険認可NICU)9床とGCU(新生児治療回復室:保険認可)6床の15床です。未熟児(早産児)を中心に、生まれる前から入院(母体搬送)してくるようなハイリスク児の診療が主な業務です。分娩の時期や方法を産科と相談の上決定し、ハイリスク分娩には小児科医が立ち会い、その後はNICU(新生児集中治療室)での診療を昼夜の別なく行っています。
地域周産期母子医療センターとしての役割を十分果たすことが基本方針です。
集中治療だけでなく、母親への小児科医の出生前訪問や臨床心理士の心理面接、ディベロップメンタルケアと呼ばれる児の発達を考えたNICUの環境調整・児のケアなど、ハイリスクの母児支援を心がけています。フォローアップ健診に加えて、未熟児出身児の支援として(1)極低出生体重児の親子を対象とする親子遊びの会「ひわまりグループ」(月2回、ボランティアの臨床心理士・保育士・音楽療法士・助産師・学生の協力で運営)と(2)NICU同窓会(秋に3歳児、春に新就学児)を開催しています。
 一方、いわゆる正常新生児(健常新生児)に対しても「より健やか」であるように、出生前から小児科医が関わり(出生前訪問、母親学級)、well baby clinic(1生日健診、5生日健診、1ヶ月健診)を実施し、周産期からの子育て支援・母乳育児支援を行っています。

小児センター(一般小児科入院)

小児単独病棟がないため、8階西病棟(混合病棟)の2床の個室を利用して入院患者を受け入れています(改築後は3床)。開業小児科の先生および他の小児医療機関と連携をとりながら地域の小児医療の一役を担う方針です。

外来部門

一般小児外来、NICU出身児のフォローアップ外来、健常新生児の健診(1生日、5生日、1ヶ月)を行っています。専門外来として、小児神経外来を設けています(九大神経グループ担当)。一般小児外来については、病院小児科の特徴(血液検査やウイルス・細菌検査、超音波・CT・MRIといった画像検査の提供と時間をかけた十分な説明)を生かした実地小児科の先生と連携した診療が基本方針です。

週間スケジュール

新生児の哺乳時間の関係から7時半の採血から1日がスタートします。
毎朝、周産期センターとして早朝カンファレンスを行いその日のハイリスク症例の動向を確認しています。その後小児科のミーティング・早朝回診、勉強会を行っています。NICUと病棟の入院患者の診療、健常新生児の健診、外来診療、保健所での予防接種・乳幼児健診をスタッフで分担しています。スケジュール一覧に示したように、院内外の、新生児医療、育児学、周産期医療、未熟児発達、一般小児医療についてのカンファレンス・勉強会により新生児科医・小児科医としての研鑽に努めています。ルチーン業務に加えて、緊急帝王切開や吸引分娩などへの分娩立ち会い・蘇生という重要な業務が加わります。
木曜日は英語回診、金曜日午前中は研修医の教育回診を行っています。

診療実績

1)NICU(新生児集中治療室)

入院総数は235名でした。
 転帰内訳を、表1に示しました。226名が軽快退院。死亡例はありませんでした。転院が7名で,4名は専門治療目的でした。満床のため退院へ搬送した症例が3名でした。先天性心疾患の母体搬送例は、こども病院に産科が併設され減少傾向にありましたが、昨年は1例のみでした。
 再入院7名を除く228名について、在胎週数別、出生体重別の入院数、転帰および種々の周産期因子に関する記述統計を表2、表3に、表4に再入院例一覧を示しました。院内出生が202名(89%)、37週未満の早産児が132名(58%)、1000g未満の超低出生体重児は5
名、1500g未満の極低出生体重児が22名、2500g未満の低出生体重児が136名、母体搬送例が73名(32%)でした。152名(67%)に分娩立ち会いがなされていました。人工換気(CPAPは除く)を21名(9.2%)に施行しました。
 診断名内訳は表5に示した通りです。双胎および母体合併症児が多いことが特徴です。

2)小児センター・一般小児

入院総数は34名でした。人工呼吸器依存の長期入院児1名1年間を通じて病床を占有したため、昨年に引き続き少ない入院数となりました。
疾患別内訳を表6、年齢構成を図1に示しました。
表7に紹介元内訳、表8に入院時刻内訳を示しました。紹介入院が74%、時間外入院が47%でした。表9に入院病棟を示しました。この数年は小児センター(8西)が中心で以前のように他の病棟で管理することが少なくなりました。ほとんどが緊急入院であるため、小児ベッドの確保が必要であります。表10に転帰内訳を示しました。軽快30名、転院(ADEMと脳症を高次病院へ)、転科(術後イレウスを小児外科へ)でした。染色体異常異常症(18トリソミー)の症例は心不全が悪化し再入院となりましたが、在宅看取り目的で退院となりました(在宅医と連携し2度目の家族の時間を持つことができました。)。

研究

小児科では、以下のような臨床研究を行っています。
  1. ハイリスク児のフォローアップに関する研究(班研究で周産期データと予後の関係を解析、特異的読字障害の疫学研究
  2. 健常新生児のケアに関する研究(診療・ケアに関する啓発書作成)
  3. 母体疾患(膠原病等)の周産期管理に関する臨床研究
  4. 双胎に関する臨床研究(NHOネットワーク研究)

教育

ベッドサイドでの臨床教育に加えて以下の教育を実施しています。
  1. ハイリスク新生児診療の研修プログラム(text、テーマ別勉強会)
  2. 健常新生児診療(well baby clinic)の研修プログラム(育児学勉強会)
  3. 周産期センタースタッフ(医師・看護師・助産師)への系統的教育

将来の展望

  1. 地域周産期センターとしてハイリスク母子に対する周産期医療を提供しつつ、「赤ちゃんにやさしい病院ーBaby Friendly Hospital」(H19認定)として、ローリスクの母子に対するバースセンター・well baby clinicを充実していきます。
  2. 小児センターは、引き続き都市圏の2次医療の一旦をできる範囲で行っていく。