代謝内分泌内科

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代謝内分泌内科研修カリキュラム


一般目標

内分泌代謝疾患の診療を適切に行なうために、内分泌代謝疾患の病態を理解し、
診断法、治療法を修得する。

(1)内分泌疾患



(1)間脳下垂体系疾患の病態を述べ、必要な診断法を用い、その結果を解釈し、
   適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)

(A)下垂体機能前葉機能亢進症
 1.先端巨大症
 2.クッシング病
 3.Nelson症候群
 4.プロラクチノーマ
 5.TSH産生腫瘍
 6.ゴナドトロピン産生下垂体腺腫
(B)下垂体前葉機能低下症
  1.汎下垂体機能低下症、部分的下垂体機能低下症
  2.下垂体前葉ホルモン単独欠損症(うち、下垂体性小人症は必須)
(C)その他
  1.自己免疫性下垂体炎
  2.Empty sella症候群
(D)下垂体後葉疾患
  1.尿崩症
  2.SIADH
(2)甲状腺疾患の病態を述べ、必要な診断法を用い、
 その結果を解釈し、適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)
(A) 甲状腺機能亢進症
  1.バセドウ病
  2.Plummer病
  3.無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎
  4.下垂体TSH産生腫瘍
  5.橋本病の急性増悪
  6.甲状腺薬中毒症
  7.胞状鬼胎、悪性絨毛上皮腫
(B)甲状腺機能低下症
  1)原発性甲状腺機能低下症
    a)慢性甲状腺炎(萎縮性甲状腺炎および甲状腺腫を伴う甲状腺炎)
    b)放射線障害
    c)手術によるもの
    d)浸潤性病変(悪性リンパ腫、アミロイドーシスなど)
    e)甲状腺ホルモン合成障害(ヨード欠乏・過剰摂取、抗甲状腺剤
                      先天性甲状腺ホルモン合成酵素欠損)
  2)中枢性甲状腺機能低下症
    a)下垂体障害
    b)視床下部障害
  3)甲状腺ホルモン不応症
  4)一過性甲状腺機能低下症
    a)無痛性甲状腺炎
    b)亜急性甲状腺炎
(C)甲状腺炎
  1)慢性甲状腺炎(含む無痛性甲状腺炎、分娩後自己免疫性甲状腺異常症)
  2)亜急性甲状腺炎
  3)急性化膿性甲状腺炎
(D)甲状腺腫瘍(良性および悪性腫瘍)

(3)副甲状腺疾患の病態を述べ、必要な診断法を用い、
 その結果を解釈し、適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)
(A)原発性副甲状腺機能亢進症
(B)続発性副甲状腺機能亢進症  
(C)副甲状腺機能低下症 
  1)特発性副甲状腺機能低下症
  2)続発性副甲状腺機能低下症
(D)副甲状腺ホルモン不応症
 1)偽性副甲状腺機能低下症
 2)偽性特発性副甲状腺機能低下症
 3)偽性偽性副甲状腺機能低下症 

(4)副腎皮質疾患の病態を述べ、必要な診断法を用い、
 その結果を解釈し、適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)
(A)副腎皮質機能亢進症
  1)クッシング症候群(含むpreclinical Cushing症候群)
  2)原発性アルドシテロン症
  3)続発性アルドステロン症
  4)コルチコステロン産生腫瘍、デオキシコルチコステロン産生腫瘍
  5)Liddle症候群
  6)グリチルリン酸過剰摂取
  7)男性化副腎腫瘍
  8)女性化副腎腫瘍
(B)副腎皮質機能低下症
  1)アジソン病
    a)部分的アジソン病
    b)続発性副腎不全   
    c)急性副腎皮質不全
    d)ACTH不応症
  2)選択的低アルドステロン症
    a)高レニン性(原発性)選択的低アルドステロン症
    b)低レニン性(続発性)選択的アルドステロン症
  3)偽性低アルドステロン症
(C)副腎偶発腫
(D)副腎皮質ステロイドホルモン合成障害
(5) 副腎髄質疾患の病態を述べ、必要な診断法を用い、
 その結果を解釈し、適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)
(A)褐色細胞腫
(B)神経芽腫群腫瘍

(6)性腺疾患の病態を述べ、必要な診断法を用い、
 その結果を解釈し、適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)
(A)男性性腺疾患
(B)女性性腺疾患
   無月経の鑑別多毛症の鑑別
(C)性の分化異常

(7)その他、下記の内分泌疾患の病態を述べ、必要な診断法を用い、その結果を解釈し、
 適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)
(A)インスリノーマ
(B)グルカゴノーマ
(C)ソマトスタチノーマ
(D)カルチノイド症候群
(E)WDHA症候群
(F)Zollinger-Ellison症候群
(G)レニン産生腫瘍
(H)多内分泌腺腫瘍症(MEN)

(2)代謝疾患



(1)糖尿病の病態を述べ、必要な診断法を用い、その結果を解釈し、適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)

(A)1型糖尿病
(B)2型糖尿病
(C)その他の特定の機序、疾患によるもの
   1)遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの
     a)膵β細胞機能に関わる遺伝子異常
     b)インスリン作用の伝達機構に関わる遺伝子異常
   2)他の疾患、条件に伴うもの
    a)膵外分泌疾患
    b)内分泌疾患
    c)肝疾患
    d)薬剤や化学物質によるもの
    e)感染症
    f)免疫機序によるまれな病態
    g)その他の遺伝的症候群で糖尿病を伴うことのおおいもの
(D)妊娠糖尿病
(E)耐糖能障害(含む代謝症候群)
(2)肥満・肥満症の病態を述べ、必要な診断法を用い、
 その結果を解釈し、適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)

(A)原発性肥満症
(B)二次性肥満症(うち特に内分泌疾患によるもの

(3)高脂血症の病態を述べ、必要な診断法を用い、その結果を解釈し、適確な治療法を選択することができる


【経験すべき病態】(下線は必須)
(A)原発性高脂血症(とくに家族性高コレステロール血症
(B)二次性高脂血症(とくに内分泌疾患によるもの)
(C)代謝症候群
(4)高尿酸血症の病態を述べ、必要な診断法を用い、
 その結果を解釈し、適確な治療法を選択することができる。


【経験すべき病態】(下線は必須)

(A)高尿酸血症
(B)痛風
 

(3)経験すべき検査法・負荷試験など

 1)経口ブドウ糖負荷試験(糖代謝、成長ホルモン関連)
 2)インスリン負荷試験(糖代謝、インスリン抵抗性、成長ホルモン関連など)
 3)グルカゴン負荷試験(インスリン分泌能、カテコラミン分泌)
 4)TRH試験
 5)LHRH試験
 6)GRH試験
 7)CRH試験
 8)四者(TRH,LHRH,GRH,CRH)負荷試験
 9)ブロモクリプチン試験
 10)クロミフェン試験
 11)ゴナドトロピン負荷試験
 12)メチラポン試験
 13)アルギニン試験
 14)水制限試験、ピトレッシン試験
 15)高張食塩水負荷試験
 16)Ellthworth-Howard試験
 17)迅速デキサメサゾン抑制試験
 18)標準デキサメサゾン抑制試験
 19)フロセミド立位負荷試験
 20)カプトリル負荷試験
 21)生理食塩水負荷試験
 22)クロニジン試験
 23)迅速ACTH負荷試験
 24)ACTH連続負荷試験
 25)甲状腺シンチグラフィー
 26)甲状腺超音波検査
 27)甲状腺穿刺吸引細胞診
 28)副甲状腺シンチグラフィー
 29)副腎皮質シンチグラフィー
 30)副腎髄質シンチグラフィー
 31)下垂体CT、MRI検査
 32)頚動脈超音波検査
 33)腹部CT検査による内臓脂肪面積の測定
 

(4)経験すべき治療法

 1)甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の薬物療法(抗甲状腺剤、block & replacement therapy)
 2)甲状腺機能亢進症(バセドウ病)のラジオアイソトープ療法
 3)甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の外科療法
 4)甲状腺クリーゼの内科的治療
 5)バセドウ病術前のヨード内服療法
 6)亜急性甲状腺炎の副腎皮質ステロイド剤またはNSAIDによる治療
 7)原発性甲状腺機能低下症のホルモン補充療法
 8)慢性甲状腺炎の急性増悪時の薬物療法
 9)悪性眼球突出症のステロイド療法
 10)甲状腺腫瘍の外科療法(適応決定および術前後の管理)
 11)妊娠を合併した甲状腺疾患の内科的治療
 12)先端肥大症の薬物療法(ブロモクリプチン、オクトレオチド)
 13)先端肥大症の放射線療法、外科療法(適応決定、照射前後または術前後フ管理)
 14)プロラクチノーマの薬物療法(ブロモクリプチン、テルグリド)
 15)プロラクチノーマの外科療法(適応決定および術前後の管理)
 16)クッシング病の外科療法(適応決定および術前後の管理)
 17)クッシング病の放射線治療(適応決定)
 18)クッシング病の薬物療法
 19)下垂体前葉機能低下症のホルモン補充療法
 20)下垂体性小人症の成長ホルモン療法
 21)尿崩症のバゾプレッシン補充療法
 22)自己免疫性下垂体炎のホルモン補充療法(ステロイド療法:抗炎症作用)
 23)高カルシウム血症の対症療法(輸液、ステロイド、ビスホスフォネート)
 24)低カルシウム血症の治療
 25)クッシング症候群の外科療法(適応決定と術前後の管理)
 26)クッシング症候群に薬物療法(オペプリム、デソパン)
 27)原発性アルドステロン症の外科療法(適応決定と術前後の管理)
 28)原発性アルドステロン症の薬物療法(スピロノラクトンなど)
 29)先天性副腎過形成の内科的治療(コートリル、デカドロン、フロリネフなど)
 30)褐色細胞腫の外科療法(適応決定と術前後の管理)
 31)褐色細胞腫の薬物療法
 32)副腎インシデンタローマの外科療法(適応決定と術前後の管理)
 33)アジソン病の糖質コルチコイド補充療法
 34)副腎クリーゼ(急性副腎不全)の治療
 35)糖尿病の食事、運動療法
 36)糖尿病の薬物療法(内服薬)
 37)糖尿病のインスリン療法(強化インスリン療法を含む)
 38)CSII
 39)糖尿病性昏睡の治療(DKA,HONK)
 40)低血糖の治療
 41)糖尿病細小血管合併症(神経障害、網膜症、腎障害)の治療
 42)糖尿病大血管合併症の治療
 43)妊娠糖尿病、糖尿病合併妊娠の治療
 44)肥満症の食事、運動、行動療法
 45)肥満症の薬物療法
 46)高脂血症の薬物療法
 47)高尿酸血症の薬物療法
 48)代謝症候群の生活指導および薬物療法

(5)その他(患者教育など)の経験すべきこと

 1)糖尿病教室、生活習慣病教室などの教育活動
 2)学会報告、論文執筆など。
 3)内分泌代謝疾患領域におけるEBMの活用
 4)内分泌代謝疾患入院診療におけるクリティカルパスの活用
 5)診療における患者プライバシー配慮やインフォームドコンセントの徹底
 6)病診連携やネットワークを通じて地域完結型医療を行なう

(6)診療スケジュール

 1)早朝カンファレンス:毎朝8時
 2)科長回診:毎木曜日午後4時
 3)入院患者病棟カンファランス:毎週水曜日午後3時より

(7)評価は受け持った症例記録の提出と日頃の診療態度と併せて行なう。