周産期センター

周産期センター管理指針

分娩立ち会い基準

1)36週未満の早産児、過期産児、light - for dates 児、heavy - for dates児
2)胎児心拍モニター異常(胎児ジストレス徴候)
3)多胎 (子宮内一児死亡を含む)
4)帝王切開(前置胎盤、全身麻酔、常位胎盤早期剥離)
5)母体感染徴候(発熱、炎症反応上昇 etc)、子宮内感染疑い、羊水混濁
6)母体合併妊娠(妊娠中毒症、糖尿病、高血圧、甲状腺機能亢進症、SLE、ITP etc )
があり小児科医の立ち会いが必要と思われる症例
7)羊水過多・過少
8)骨盤位の経膣分娩
9)胎児異常(形態異常、染色体異常、不整脈 etc)
10)吸引分娩、圧出分娩、鉗子分娩

※ その他周産期のリスクがあり、小児科医の分娩立ち会いが必要と考えられる症例
(H14.4.9)


GBS母子感染の予防プロトコール

膣分泌物培養

1)同意の得られた妊娠35週以上37週未満の妊婦
2)切迫早産、妊娠37週未満の前期破水症例(週1回採取)

適応

1)上記のGBSスクリーニングで陽性症例
2)GBSスクリーニングを行っていない症例(※)や培養結果が得られていない症例
・妊娠37週未満の症例
・破水後18時間以上が経過した症例
・子宮以外に明らかな感染巣がなく、体温が38度以上の場合
・子宮以外に明らかな感染巣がなく、白血球増加(≧15,000)あるいは
CRP上昇(≧1.5mg/dl)している症例
・妊娠37週未満の前期破水あるいは早産の既往、GBS感染の既往がある場合

予防法

ビクシリンを陣痛発来時(陣痛発来後は入院時)に2g、以後分娩まで4時間毎に1gを投与する。

※:母体搬送症例、他院からの紹介例が含まれる。抗生剤投与前に必ず膣分泌物細菌培養を採取する。

ただし
1)37週未満の児でGBS陰性が確認された場合は予防投与は必要ない。
2)CAMが推測される場合は医師の判断で広域の抗生剤を考慮しうる。
3)予防的投与は分娩開始時に行う。(前期破水に関してはこの限りではない)
4)帝王切開の場合は、予防投与は必要ない。

平成14年4月30日

妊娠34週未満における前期破水症例に対するプロトコール(案)

1. 子宮収縮抑制剤
 1) 次の場合には、原則として投与しない。
  ・臨床的に細菌性膣炎を認める場合
  ・子宮以外に感染源を認めず
    38度以上の発熱がある場合
    または
    白血球の増加(WBC≧15,000)ないし高CRP血症(CRP≧1.5mg/dl)
    を認める場合
  ・妊娠26週以降の前期破水のうち、羊水過少状態(羊水ポケット<1cmまたは
   AFI<5)が2週間を越えて存在する場合

 2) インドメサシンは原則として使用しない。
理由:母体の発熱をマスクすること、羊水過少をきたす可能性があること、
妊娠中期以降は胎児動脈管閉鎖の可能性があること
※緊急避難的に使用する場合は、その旨をカルテに記載する

2. ステロイド投与
次の場合には、原則として投与しない。
・臨床的に細菌性膣炎を認める場合
・子宮以外に感染源を認めず
38度以上の発熱がある場合
または
白血球の増加(WBC≧15,000)ないし高CRP血症(CRP≧1.5mg/dl)
を認める場合

3. 抗生剤投与
抗生剤使用前に膣分泌物(細菌培養)を採取する。
ABPC 2g/2× 点滴静注、3日間投与を行う。
以下の場合は追加投与を行う。
1) 上記・・の適応で子宮収縮抑制剤を使用しなかった場合
陣痛開始後、ABPC 1g静注を4時間置きに行う。
2) 細菌培養にて GBS が検出された場合
尿培養を提出する。
陣痛開始後、ABPC 1g静注を4時間置きに行う。
3) 淋菌が検出された場合
分娩の方針とする。
検出された時点から分娩まで、引き続きABPC点滴静注を行う。
4) 真菌が検出された場合
抗真菌剤の膣内投与を行う。
平成14年5月7日


母子感染対策(ご家族への説明文)

妊娠中の皆様へ

 当院は、皆様が安心して出産され、さらに赤ちゃんの病気の早期発見、健やかな発育をサポートするために周産期センター(産科、小児科)が一体となって、妊娠初期より新生児期までを一貫して管理しております。
当院ではこれらの病原体の赤ちゃんへの感染予防、お母さんへの検査、治療を一貫して行う体制を整えており、なるべく早くから対応できるように全ての方(途中から来られた方や緊急入院となった方も同様です)を対象に妊娠中に原則的に下記の病原体の検査を行っています(半年以内に検査を受けられており、その結果のコピーなどを提出して頂いた方は別です)。検査は原則的にすべて自費となります。

当院で実施している病原体検査

 1:梅毒
 2:B型肝炎ウィルス
 3:C型肝炎ウィルス
 4:エイズウィルス(HIV)
 5:成人T細胞白血病ウィルス
 6:B群溶連菌

梅毒

 妊娠中に胎盤を介して、胎児に感染する細菌です。先天梅毒といって、出生後に皮膚の発疹、骨や歯の異常、中枢神経系の異常などをきたします。時には死産に至ることもあります。胎盤が形成される妊娠早期に母体への抗生物質の投与によって、梅毒を駆除し、母子感染を予防することができます。

B型肝炎ウイルス

 主に成人において急性、慢性肝炎を発症させるウイルスです。まれに新生児に急性肝炎を発症させることがあります。ほとんどは分娩時にお子様に感染しますが、妊娠中にも感染するという報告もあります。分娩時の感染については現在、予防する方法が確立されています。

C型肝炎ウイルス

 成人において慢性肝炎を発症させるウイルスです。妊娠、分娩時にお子様に感染することがありますが、B型肝炎ウイルスのように母児感染を予防する手段は現在のところありません。しかし、お子様がC型肝炎ウイルスに感染する可能性があるのか、また感染しているのかどうかは知っておく必要があります。現在、C型慢性肝炎の一部にはインターフェロンなどを用いた治療方法がありますが、将来、治療法が開発あるいは確立される可能性があるからです。

成人T細胞白血病ウイルス
 成人においてT細胞白血病を発症させる可能性のあるウイルスです。主に母親の母乳を介して感染することが知られていますが、母乳以外の感染経路もあるといわれています。出生直後あるいは生後早期に人工栄養へ切り替えることによって、かなりの確率でお子様への感染を予防できます。

エイズウイルス(HIV)

 健康な日本人妊婦の発症は極めて少ないことが報告されています。しかしながら母体がこのウイルスを持っている場合、妊娠、分娩中に高率にお子様に感染することが知られており、またその母児感染予防法も完全ではありませんが確立されつつあります。

B群溶連菌

 健康な母体の10-20%程度に膣、会陰部に潜んでいる細菌で、多くの場合は無症状のままです。分娩時にお子様に感染することがあります。膣、会陰部に細菌があったとしても、多くの場合お子様は無症状ですが、ごくまれにB群溶連菌が肺炎、髄膜炎あるいは全身感染を引き起こし、重篤な後遺症を残したり、死亡したりする新生児、乳児の報告があります。分娩中に抗生剤を投与することによってお子様への感染を予防することができます。
 梅毒、B型肝炎、C型肝炎ウイルス、成人T細胞白血病ウイルス、エイズ(AIDS)ウイルスについては、母子手帳交付時、あるいは当センター初診後に血液検査を行いますが。B群溶連菌については、妊娠9-10ヶ月に帯下の細菌検査を行います。なお検査を希望されない場合はその旨担当医にお申し出下さい

詳しい説明文です(PDF版、acrobat readerが必要です)
梅毒
HBV(B型肝炎ウイルス) HCV(C型肝炎ウイルス) HTLV-1(ATLウイルス)
HIV(エイズウイルス)
GBS(B群溶連菌)

妊婦健診を受診している方に

妊婦健診

外来での妊婦さんへの保健指導

妊娠中はご自分の健康に十分注意し、管理できることが大切です。
そのためにも、妊娠中のからだのこと、毎日の暮らしのなかで気をつけておきたいことなど知っておくことが大切です。
妊娠中のお母さんと赤ちゃんの健康をうながし、ご家族を含めて安心して出産できるよう出産にむけての心構えや準備について助産師がお一人お一人個別にお話をさせていただきます。
また、妊娠中に起こることがあるトラブルについても早く見つけることができますので安
心です。
   
●保健指導を受けていただく方
  当院外来受診中の妊婦
   1)第1回目は妊娠16〜20週ごろに行います。
   2)妊娠中期と妊娠後期に各1回ずつ行います。
   3)その後は合併症を持った方、ハイリスクの妊婦の方に対して行います。
   4)その他、お尋ねになりたいことや心配ごとの相談のある方。
●場 所
   産婦人科外来5番診察室
●時 間 
   10:30〜
●方 法
   医療センター助産師による個別指導を行います。
●必要なもの
   母子健康手帳をお持ち下さい。

母親学級

1.妊娠中を快適に過ごすために
   妊娠中の日常生活に関して必要なことを説明します。
2.分娩開始から終了まで
   実際の分娩の経過について説明します。また、分娩のときのリラックスの方法などについても説明します。
3.産後の生活、育児について
   分娩後の体の変化や母乳のこと、具体的な育児のことなどについて説明いたします。
4.分娩に立ち会う心構え、夫の役割
   立ち会い分娩を希望される方に、分娩に立ち会うときの心構え、夫の役割などについて説明いたします。
 
●場 所
   産婦人科外来でお尋ね下さい。
●日 時
   第1〜第4火曜日 14:00〜16:00
●持参するもの
   母子健康手帳
  
  *第2週と第4週は妊婦体操や呼吸法の練習をしますので、動きやすい服装でおいでください。

小児科医からのメッセージ

赤ちゃんのために