糖尿病・代謝内分泌センター

J-DOIT 3

J-DOIT3でメタボリックシンドローム抑止に大きな効果を生んでおります

糖尿病の患者数(2002年:約740万人、2020年の予想:約1400万人)は、近年増加する一方であり、現状のままでは、神経症・網膜症・腎症等の細小血管合併症や、死亡率の高い大血管合併症(心筋梗塞、脳卒中)の増加による、健康寿命の短縮、労働力逸失による経済損失増、など国家的不利益の増加が心配されているが、ことに大血管合併症を有効に抑制する方法は、国内外を問わず確立されていません。
 そこで代謝内分泌内科では、平成18年9月より、厚生労働省の研究事業「糖尿病合併症を抑制するための介入試験」(J-DOIT3)に参加し、この問題の解決に取り組んでおります。本研究では、我が国の糖尿病治療をリードする大学病院、公的病院、私立病院を研究実施施設として、2型糖尿病患者様約3000名に御参加いただいて、大血管合併症を有効に抑制する新しい治療方法を見出すことを目標としています。
 この研究では、従来療法(糖尿病診療ガイドラインに則った治療)に比してより厳格に血糖・血圧・脂質をコントロールする強化療法により、大血管合併症の発症・進展を約4年間で30%抑制することを目指しており、この目標を期間内に安全に達成するには、高度な医療技術と糖尿病治療に対する情熱を持ったスタッフによる生活習慣介入と薬物療法が不可欠であり、当院もその一つに選出されました。
 45歳以上70歳未満の2型糖尿病患者で、あらかじめ設定した「糖尿病と高血圧の両方」または「糖尿病と脂質異常症の両方」の条件を満たす患者が対象となり、適格と判定された被験者に対して、あらかじめ設定した強力な治療方法と通常の治療法をランダムに割り付けます。
 従来治療群に割り付けられた患者も、強化療法群に割り付けられた患者も、定期的に通院し、血液検査などを行い、専任の糖尿病療養指導士、担当医師、看護師、管理栄養士の指導を受け、また全員に血圧計と加速度計(運動量の記録計)を貸し出され、定期的に測定結果を報告します。
 登録期間は、平成20年12月末まで、追跡調査は登録終了後3年であります。これまで19名が登録終了しており、特に強化療法群に割り付けられた群で、数ヶ月でHbA1cが著明に低下し、さらに1年以上低値が維持できています(図1)。またLDL-Cも同様の経過を示しています(図2)。現在まだ登録期間中でありますが、このような結果から、多くの既に参加されている方に満足して頂いており、さらなる登録患者の増加が期待されます。