前立腺癌総合治療センター

臨床試験

局所前立腺癌に対して外部放射線治療後の局所再発に対する救済高線量率組織内照射(ブラキテラピー・小線源療法)の臨床試験


当院では局所前立腺癌に対して外部放射線療法後の局所再発症例に対しまして以下の条件を満たす場合に高線量率組織内照射(ブラキテラピー・小線源療法)で再発の治療を行う全国レベルでの臨床試験に参加しています。
 治療法としては腰椎麻酔下に会陰部から前立腺に刺した針を通して、短期間にイリジウムという線源を何度か出し入れして照射する方法です(前述の放射線治療の組織内照射項を参照)。
 2013年3月31日まで試験に参加できます。
 この臨床試験に参加ご希望の方は現在の治療施設より紹介状(下記試験参加条件の必要事項をチェック)を持参いただき、水曜日または金曜日の泌尿器科外来(担当医師:坂本)を受診していただきます。試験参加条件に適合するかチェックさせていただき、必要ならば当院で検査を追加いたします。その後、放射線治療医(担当医師:松村)から臨床試験の説明を受けていただき、全ての条件に適合し、同意がえらべれば、治療という流れに成なります。
 なお、治療費は保険診療になります。

この研究の予想される効果と、起こるかもしれない副作用および不利益について

◎本治療による局所制御の結果、ホルモン剤投与の必要性が無くなる可能性があります。また、癌細胞が認められた片葉のみを治療(照射)タ−ゲットにしていますので、前立腺全体をタ−ゲットとする組織内照射と比較して直腸、膀胱、尿道の投与線量を減らす事が出来、急性期、晩期の有害事象が軽減される可能性があります。
副作用は、大きく急性障害と晩期障害(数ヵ月〜2年後以降に発症)とに分けられます。
急性障害としては、
1. 排尿関係:前立腺肥大様症状(頻尿、排尿時痛、尿線が細い、勢いがないなど)
2. 排便関係:下痢傾向、痔の悪化・下血,排便痛
3. その他:性機能の低下、ペニスのシビレ感、会陰部の不快感、最初の数回は古い血液の混入した精液が出るなどがあります。これらの症状は、1〜3ヵ月でほとんど消失しますが、中には6ヵ月〜1年と長く続く人もおられます。
晩期障害は数ヵ月から数年以上経ってから現れることもあり、一般に難治性です。尿道狭窄が3〜10%、直腸潰瘍(出血)が0〜3%と言われています。晩期障害の症状は長引くことはありますが、それでも治療により改善可能で、以後のQOL(Quality of life : 生活の質)に大きく影響することは少ないです。
◎上記の副作用以外に、予期せぬ副作用や合併症が出現することがあります。副作用および合併症に対して可能な限り予防処置を施行します。また、もし、副作用および合併症が出現したときは適切な治療を行います。

試験参加条件

初回外部放射線治療時の条件
□ 治療の総線量が、72Gy以下(分割線量:1.8Gyまたは2.0Gy)
□ 治療時に遠隔転移を有していない
□ 治療時に、cT1c-3aN0M0、iPSA ≦ 20ng/mlである症例(Gleason scoreは問わない)
□ 治療時のネオアジュバント内分泌療法の期間が12ヵ月以内、アジュバント内分泌療法(−)
外部放射線治療後再発時の条件
□ 初回外部放射線治療終了日から再発確認の生検までの期間が2年以上(730日)経過 
□ Phoenixの定義で生化学的再発と診断
□ PSA倍加時間が6ヵ月以上
□ 生検(12か所以上)で片葉のみの病理組織学的再発(Gleason scoreは問わない)
□ 生検での局所再発確認時PSA < 10ng/ml
□ 再発確認時の局所進展が、MRIなどでrT1c〜rT2bと診断
□ 臨床的に遠隔転移を認めない
□ 再発確認時の一般状態がP.S. 0〜1(日本癌治療学会の分類)
□ 再発確認時の年齢が80歳以下
□ 臨床検査値が規定を満たす
□ 本人から説明文書での同意が得られている症例
□ 小線源療法が可能な体位がとれ、前立腺体積が小さく、会陰より針が穿刺可能
併用薬・併用療法に関する条件
□ 原発巣に対する手術療法(経尿道的前立腺摘除術,前立腺被膜下摘除術,その他の前立腺肥大症に対する経尿道的手術、温熱療法など)の既往なし
□ 再発時に副腎皮質ステロイド剤が使用されていない
□ 再発が確認されて再発病巣に対する治療開始まで、6ヵ月以下の内分泌療法

除外条件

□ 活動性の重複癌を有する症例、ホルモン再燃症例
□ 初回放射線治療後のアジュバント内分泌療法が施行されている症例
□ 初回外部放射線治療が、粒子線治療(陽子線、重粒子線)で行われた症例
□ 直腸の開腹、内視鏡切除術の既往歴を有する症例
□ 再発確認時にコントロール不良の糖尿病、膠原病、重篤な脳神経疾患を有する症例
□ 再発確認時に抗凝固剤の休止が不能な合併症を有する症例
□ 試験担当医師が不適切と判断した症例


臨床試験チェックリスト