前立腺癌総合治療センター

診断

前立腺癌の診断には直腸内前立腺触診、経直腸的前立腺超音波検査(transrectal ultrasonography ; TRUS )、前立腺腫瘍マーカー(前立腺特異抗原、PSA)の測定が重要です。福岡市で行っている前立腺癌検診の二次検診でも、この3つの検査が行われます。これらの検査から総合的に判断して前立腺癌が疑われる場合には、前立腺の生検(組織検査)により病理学的確定診断を行います。

前立腺生検

前立腺癌が疑われる場合に行われる検査で、当院では仙骨麻酔下に超音波で観察しながら前立腺の各部位から系統的に針を刺して組織を採取します。穿刺は瞬間的に行いますので苦痛はほとんどありません。検査後に強い血尿、発熱(当科では会陰部からの生検では発熱例なし)および尿閉(一時的に尿が排出できないこと)がみられる場合がありますので、一泊入院にて検査を行っています。
 生検標本(診断のために前立腺より組織採取したもの)は癌の有無を確認するほか、癌の悪性度(一般にグリーソンスコアという数値で表されます)も評価します。グリーソンスコア:2-10までに分類され値が高いほど癌の悪性度が高いといわれています。
 生検で前立腺癌と診断された場合は、さらに癌の局所進展度および遠隔転移の有無を検討するためには骨シンチグラフィー(前立腺癌の遠隔転移臓器は骨が最も多い),CT検査(場合によりMRIも)を行います。必要に応じて膀胱尿道鏡検査,膀胱尿道造影,排泄性腎盂造影などの泌尿器科的検査を行っています。これらの検査の結果から、臨床病期(ステージ)を決定し、治療法を検討します。

治療法の選択に重要な因子

 生検組織のGleason score(グリーソンスコア)
 臨床病期
 PSA値
上記の3つの因子に基づいて前立腺癌の治療後の予後を予測する方法として、D'Amicoらのリスク分類が多く用いられています(D’Amico AV, et al.:JAMA,280(11),969,1998)。


とくに限局前立腺癌の治療を考える場合に、上記の3つの因子が最も大切なデータとなります。セカンドオピニオンを受ける際にも、この3つのデータを確認しておく必要があります。