前立腺癌総合治療センター

内分泌療法

前立腺癌は男性ホルモン(精巣と副腎から分泌されているホルモン)の作用で増殖していきますので、男性ホルモンを癌細胞に与えないようにする治療法です。ただし、この方法は一般的には癌を完全に消滅させるわけではなく、増殖を抑える治療ですので、根治治療(癌を完全に消滅させる治療)ではありません。よって、治療効果が長期間続かないことが最も問題になります。つまり、癌がある程度の期間をおいて再び増殖して転移などを起こしてくること(再燃)も少なくありません。効果持続期間は短い方と10年以上続く方など人によって異なります。癌が非常に大きな場合にはこの治療を数ヶ月行った後に手術や放射線療法を施行する場合もありますが、この治療にて癌が再燃した場合、それから前立腺摘出手術を行う適応はないと考えてください。一般に癌が小さく、癌細胞がおとなしく、PSA(前立腺特異抗原:腫瘍マーカー)が低い方のほうが効果の持続が長いといわれています。前立腺癌の治療法のなかで一番身体への負担は軽いかと思われます。高齢者(75歳以上)の方や身体に重篤な合併症をもっている方が適応になると思います。この治療法としては両側の精巣摘除またはホルモン剤の皮下注射(1ヶ月毎または3ヶ月毎)のどちらかを行います。場合によっては内服剤を併用します。副作用は性機能低下、女性の更年期障害と同様な発汗やほてりなどが起こること、体重増加、骨粗鬆症、筋力低下、血糖値の上昇、さらに薬剤による副作用として肝機能障害、間質性肺炎、下痢、胃腸障害などもありえますが、あまり重篤なものはありません。

現在、本邦で主に使用される薬剤には下記があります。
1)LH-RHアゴニスト
2)LH-RHアンタゴニスト
3)抗アンドロゲン剤
  ビカルタミド
  フルタミド
  エンザルタミド
  酢酸クロールマジノン
4)アンドロゲン遮断薬
  アビラテロン
5)女性ホルモン剤
  エチニールエストラジオール
  エストラムスチン
6)ステロイド
  プレドニソロン
  ベタメサゾン