前立腺癌総合治療センター

治療を施行せずに経過観察(監視療法・待機療法)

 前立腺癌は一般に増殖が比較的遅いものが多く、癌が生命や生活に影響を及ばさない場合もありえます。しかし、現在、そのような癌を臨床的に特定できないのが現状です。癌の診断からすぐに治療を行うのでなく、PSAでの経過観察や再度前立腺生検を施行し、癌細胞の悪化や癌の進行がみられた場合に根治治療を行うというのが監視療法という考え方です。一般に低リスク群が良い適応と言われています。
 10-15年癌による死亡の恐れがない方に無駄な癌治療を施し、生活の質を落とすことを避ける、または治療介入までの期間を延長する利点があります。しかし、治療の時期を逸する恐れもあること、治療を受けていない精神的不安を生じることが欠点です。中期的な臨床データより監視療法中に治療介入になる可能性は30%程度といわれ、10年で98-99%の方が前立腺癌にて死亡しないといわれています。
 待機療法とは監視療法と異なり、転移による症状などが出現するまで治療をせず、治療する場合は根治治療でなく内分泌療法を受けることです。一般にご高齢の方で積極的治療を望まない方が適応となります。