医療安全管理部

はじめに

はじめに

九州医療センターでは、皆さまへ安全で適切な医療を提供するために厚生労働省の指針を受け、安全管理体制を整備し、組織全体で医療事故防止に取り組んでいます。病院の基本理念は「病む人に寄り添い、安全かつ最適な医療を提供します」であり、高度急性期総合病院として安全第一を考えています。

医療安全管理部長からのご挨拶 2022年4月

医療安全管理体制の確立と安全文化の醸成に向けて
副院長(医療安全管理部長)
岡田 靖

 2018年4月より副院長 兼 医療安全管理部長を勤めています。医療安全文化の醸成には知識、報告、正義、柔軟、学習の5つの文化が必要であるといわれています。このうち「正義の文化」とは医療活動のルール違反や不安全行動を許さない文化であり、事例をもとに安全性を高める対策を実施すること、また何らかの不具合や医療事故に遭われた患者さんやご家族に誠実に対応し、社会に対しても説明責任を果たす文化でもあります。2018年3月、9月の警鐘事例をもとに入院患者さんの急変を未然に防ぐ当院独自の迅速対応システム(Rapid Response System)を構築し、救命救急センター勤務医師と診療看護師により夜間休日も含めて24時間365日、病状悪化の早期発見と対処に努めています。2019年度は画像診断における予期せぬ重大所見(Significant Unexpected Findings)の依頼医見逃しを防ぐシステムを立ち上げ、医療安全管理部、放射線科および診療情報管理センターの多職種チームでアラート事例を毎月確認しながら依頼医および診療科にフィードバックし、医療事故を未然に防いでいます。さらに2020年4月からは医師が報告すべき合併症・偶発症30項目を定めて医師全員の医療安全への意識を高めています。生じた合併症・偶発症の中から警鐘事例をクローズアップし、診療科としての検査・手技の見直し、診療成績の確認、侵襲的検査・処置に関する説明書・同意書の見直し、再発予防策等を診療科と医療安全管理部が一体となって作成し、病院および診療科の医療の質を向上させています。保険適用外の高度難度・新規医療技術や未承認薬の使用は、医療安全管理部に設置された高難度・新規医療技術等審査委員会で毎月審査するなど活動が広がっています。また薬剤確認の6R(正しい患者・薬・時間・用量・用法・目的)のように重要な手順は「当たり前のことを当たり前以上に、超一流に徹底する」を実践します。複合疾患を有する超高齢患者への侵襲的治療では続発血栓症や転倒骨折など転帰に影響する合併症の臨床指標に注目し、予防と改善を図ります。全職員の医療安全意識を高揚し、医療安全研修への全員参加、誰もが積極的に医療安全事例を報告する文化を醸成します。2022年の医療安全管理部の数値目標はインシデント・アクシデント報告総数4000件、医師報告数300件、薬剤部の疑義照会の中で、実施されると患者に大きな影響を及ぼすと推測される注意喚起事例(プレアボイド報告)70件以上、法令医療安全研修職員参加率100%です。加えて事故を回避できた行動や事例についても、進んで報告するSafetyⅡの考え方を導入し、初期研修医の安全教育と報告推進も目標に掲げています。これらの2022年目標に向けて医療安全を実践し、全職員が医療安全を学ぶ文化を創りたいと思います。そして「日本有数の高度急性期総合病院として、安全第一で患者さんに信頼され、職員が輝く病院」を目指していきたいと思います。