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▼ 治療成績
■心臓カテーテル検査・カテーテル治療と治療成績■
1. 心臓カテーテル検査、カテーテル治療(PCI)数の推移
 入院患者数の増加に比例して、心臓カテーテル検査、PCI数共に最近5年は増加傾向にある。2009年は過去最高の症例数となった。

表

2.平成21年の心カテ診療実績とPCI成績
 平成21年の心臓カテーテル検査、血管造影等の件数は1430例であり(19年1167例、20年1368例)前年より4.5%の微増であった。冠動脈インターベンションPCIは399例であり(19年338例、20年458例)前年比12.9%減であった。最近数年間の推移では多少の増減はあるが全体的に漸増傾向である。その内訳はステント留置術が292例(薬剤溶出型ステントDES:196例、通常型ステントBMS:96例)、高速回転式冠動脈粥腫切除術ロータブレーターPTCRAが34例、バルーン形成術POBAのみ104例であった。PCIの初期成功率は慢性完全閉塞CTO症例を除くと100%であり、CTO症例(年間40例以上)でも積極的にretrograding approachを用いることにより成功率は90%近くへ向上した。急性心筋梗塞(56例)、急性冠症候群/不安定狭心症(122例)症例での緊急PCIでは冠動脈内血栓吸引、POBA、BMSを中心に使用した。待期症例には積極的にDESを使用し、再血行再建率TLRは両ステントを合わせても10%以下であった。治療に伴う合併症としての緊急心臓手術、死亡例は1例も認めなかった。最近は多くの症例においてDESを使用するようになり、抗血小板剤継続投与に纏わる問題等も危惧されているが、遠隔期においても確認できる遅延性冠動脈ステント内血栓症は発生しなかった。観血的手技、手術が必要な症例での抗血小板剤投与については術前より適切に病態把握、リスク管理を行い、周術期において合併症発生は認めなかった。当院では平成16年より高齢者、脳血管合併症などの心臓手術のハイリスク症例、手術拒否例を中心に左冠動脈主幹部病変に対して積極的にDESを用いたPCIを行い通算140例を超えたが、手技成功100%、院内死亡はなく遠隔期死亡2例のみであった。左主幹部病変自体の再狭窄は全くなく、最近の学会、論文等で報告されているように、同病変に対する治療の有効な選択肢の一つとして十分に考慮でき、かつ妥当性を確認している。
 最近はリウマチ性心臓病に遭遇することは極めて少なくなったが、僧帽弁狭窄症に対する経皮的僧帽弁交連切開術PTMCは1例のみ施行し、十分な心不全改善効果を認めた。
 血管外科と共に行っている末梢血管治療、閉塞性動脈硬化症に対するインターベンションPPIも、119例(19年39例、20年80例)前年より49%増であった。
 また、深部静脈血栓症および急性肺動脈血栓塞栓症に対する下大静脈フィルター留置(一時型、回収可能型)およびカテーテルによる血栓溶解療法も計16例に対して積極的に行った。

■ 不整脈診療と治療成績■
1.アブレーション、デバイス手術数の推移
 カテーテルアブレーション、ペースメーカーや植込み型除細動器などのデバイス手術の症例数は増加傾向が続いている。2009年はアブレーション、手術数ともに過去最高となった 。

表


2.平成21年の不整脈診療実績と成績
 平成21年の不整脈非薬物治療内容と治療成績は以下の通りである。
 電気生理学的検査(EPS)が120例、その内カテーテルアブレーションは92例で、EPS総数、アブレーション数いずれも増加した結果、共に過去最多の症例数となった。平成21年のアブレーション対象疾患内訳および成績は図の通りで、昨年に続き心房細動に対する肺静脈隔離術が最も多い割合(40%)を占めた。この傾向はここ数年顕著であり今後も続くものと予測され、心房細動に対するアブレーションへの期待の高さを反映していると考えられる。
 ペースメーカー植込み術(PMI)は89例(新規52例、交換34例、その他感染等のリード抜去術等3例)で、これも前年(85例)を上回り、過去最多の症例数であった。当院におけるペースメーカー植込み術の特徴は、心房・心室中隔ペーシングへの取り組みと全症例スクリューリードの使用である。従来の右室心尖部ペーシングは心機能に悪影響を及ぼす事が明らかとなり、当科では右室中隔にリードを留置する術式を標準としている。さらには心房細動の合併を減らすべく洞不全症候群では心房中隔にリード留置を行っている。また心房、心室リードにスクリューリードを用いることで術後のベッド上安静を行っていない。これによりペースメーカー植込み術直後から患者は病棟歩行が可能となり、植込み側の上肢固定も必要でなくなった。術後の長時間安静によるストレスは軽減され、高齢者では早期のADL回復に大きく貢献している。
 植込み型除細動器(ICD)は19例とこちらも毎年少しずつ症例数が増加している。この内両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)が4例であった。一方単独の両心室ペースメーカー(CRT-P,心臓再同期療法)は0例であった。対象となる患者背景(低心機能、心不全)を考えると今後もCRT-PではなくCRT-Dの需要が増えると予測される。

不整脈検査・治療症例数
EPS
アブレーション
肺静脈隔離術
PMI
ICD/CRT-D
120
92
37
89
19

表

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