栄養管理室の概要
近年、食習慣の変化により生活習慣病罹患者及び予備軍は増加の一途となっています。そのため国は厚生労働省を中心にメタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病の早期発見・早期治療を目的に特定検診、特定保健指導の実施を促進し食生活改善に対する意識付けを浸透させています。また、農林水産省及び厚生労働省が中心となり、国民一人一人が生涯を通じ、健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れることを目的に食育活動を積極的に推進させています。このような社会状況の中、栄養管理室では生活習慣病の是正とその合併症予防の目的で全ての疾病治療の根本である適切な食事の提供と個々人の生活スタイルを考慮した個人栄養食事指導及び多職種協働による集団栄養食事指導を実施し治療効果向上の為の栄養管理に努め、診療支援を行っています。特に糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝、BMI 25以上の肥満者などには他職種と連携し入院または外来を問わず積極的に介入し、継続的な栄養食事指導により病認識を高め、食生活の改善に向けての意識付け動機付けを行い合併症の予防と治療の観点からサポート体制を強化してきました。今後は各疾患と食事に関する研究を推し進め、治療効果の高い栄養管理の研究にも邁進します。
また、疾病治療の根本は適切な栄養管理です。中でも生活習慣病の多くは肥満が原因で代謝異常、合併症を発症しており、肥満改善の為の食事療法が重要です。肥満の改善には総摂取エネルギーの是正が最も有効で、特に肥満者の食生活の背景には動物性脂肪及び炭水化物の過剰摂取及び野菜類の摂取不足によるビタミン、食物繊維不足が存在します。そこで栄養素の配分をバランスよく考慮したエネルギーコントロール食、その他、合併症の予防及び治療の為にたんぱく質、塩分を適正にコントロールした食種等をとり揃え食事の提供を行っています。特に短期間で積極的な体重コントロールを行う場合は、脂質及び炭水化物を厳重に制限した低カロリー食(LCD療法:1000kcal)や超低カロリー食(VLCD療法:420kcal、550kcal、800kcal)を提供し肥満の改善を支援しています。各疾病の状況に合わせた食種は栄養食事指導の直接的な媒体ともなっておりさらに退院後、自宅での食事療法に活かされているため、引き続きお手本となるよう適正な食事の提供に努めます。
また、個人栄養食事指導は患者個々のライフスタイルに合わせ、まず問診により食生活の状況を把握し、その中で問題点を抽出後、患者自身に問題点を認識して頂いた上で実行可能な方法で目標を設定するという内容の栄養相談を行っています。入院中は入院時と退院時の2回行い、また退院後のフォローとして外来で再評価を行っています。“食事は健康管理の中心であるとともに楽しみであること”をモットーに適正な食生活を無理なく続けられるように支援しています。「メタボリックシンドローム対策や食育の推進」も追い風となり栄養管理の重要性と必要性が浸透しつつあります。2009年の栄養食事指導件数は2719件でした。全国国立病院機構の同規模施設(500床以上)との比較では2009年4月~9月までの栄養食事指導件数においては東京医療センターの1603件に次ぎ、当院は1459件という実施状況でした。現在、徐々に診療科の垣根を越えて増加傾向にあります。今後もさらに患者個々のライフスタイルを尊重し診療支援として有効な個人栄養食事指導の推進に努めます。
糖尿病教室は2009年、開催回数49回、受講者延べ人数が327名でした。多職種協働で隔週火~金曜日までスケジュールを組み、それぞれ専門の立場からアプローチしています。また、糖尿病友の会である
「ももち会」は2009年、会員数37名で活動しました。