日和見感染症の早期発見と予防について

日和見感染症について

日和見(ひよりみ) 感染症とは、免疫力が低下したときにかかる、さまざまな感染症や病気のことをいいます。今の体調を維持するためにも、日和見感染の早期発見と予防はとても大切なことです。

日和見感染症の早期発見について

CD4の値が下がると、日和見感染症にかかる可能性がでてきます。その症状がないか、日頃から自分でチェックする習慣をつけましょう。また、定期的に受診し、専門的にも診てもらいましょう。(日和見感染症早期発見のための定期検査表参照

体調の変化に注意しましょう - 次の症状が続くようであれば、すぐに連絡して下さい。時間外でもかまいません。

38度以上の発熱、咳やたんが1週間以上続く、息切れ、下痢が1週間以上続く、激しい頭痛、眼が見えにくい、めまい、吐き気、嘔吐、皮膚の湿疹・痛み・かゆみ、便の色が黒い、持続する性器出血、しびれ、体に力が入らない

次の症状があったら、翌日でもよいので連絡して下さい。

痛みを伴う口内炎、舌や口の中が白い、食べ物が飲み込みにくい、陰部のかゆみリンパ節(首、わきの下、足のつけ根)の腫れ、体がだるい

次の症状があったら、診察時に必ず伝えて下さい。

便秘が続く、乳房の腫れ

この他にも気になる症状がつづく場合は、医師又は看護師に連絡して下さい。
TEL: 092-852-0700

主な日和見感染症

帯状疱疹(CD4=500以下)

ピリピリした痛みが体の片側に発生し、その後虫刺されのような発疹/水疱が生じます。

カポジ肉腫(CD4=500 以下)

スミレ色の腫瘍です。できやすい場所は皮膚ですが、内臓や消化管、その他全身のどこにでもできることがあります。消化管にできた場合は下血する場合があります。

ニューモシスチス肺炎(CD4=200 以下)

ニューモシスチス・イロベジー(カリニ)という真菌を原因とする肺炎の一種です。発熱や咳に加え、体を動かしたときに息切れが起こります。

カンジダ症(CD4=200 以下)

いわゆるカビの一種です。カビのような白斑が舌や頬の内側などにできます。食道・気道・皮膚にもできることがあります。特徴はティッシュなどで拭うと除去できることです。

日和見感染症早期発見のための定期検査

CD4リンパ球など身体の状態に応じて、今後の検査予定を計画します。自分自身も状態を知り、検査の予定を把握しておく必要があります。

眼底検査 - サイトメガロウイルス網膜炎などの早期発見

CD4リンパ球数
200以上 → 必要時
200未満~100以上 → 半年に1回
100未満~50以上 → 3ヶ月に1回
50 未満 → 1ヶ月に1回

※眼底検査は、まず瞳孔を開くために点眼薬を使用します。検査終了後はお車の運転はできませんのでご注意下さい。

胸部レントゲン撮影 - ニューモシスチス肺炎・結核などの早期発見

CD4リンパ球数
200以上 → 1年に1回
200未満 → 2~3ヶ月に1回

※上半身の衣服を脱いでの撮影となります。脱ぎ着のしやすい着衣でお越し下さい。

ツベルクリン判定 - 結核の早期発見

CD4リンパ球200以上で2年以上検査していない方全員1回検査(他院で施行済みも可)

※薬液を注射後、48時間後に注射部位の判定を行います。2日後に病院へ来れる時(土日祭日以外)にしかできませんので、火曜日 注射 → 木曜日 判定などのように計画します。(ご都合のつかない方には、その他の曜日でも対応します。)

歯科検診 - 口腔内カンジダ症や歯肉炎、齲歯の早期発見・治療

CD4リンパ球数が200以下になったら、歯科検診を計画しています。

※予約制ですので、次回の内科受診に合わせ予約をとります。

子宮ガン検診(女性のみ) - 子宮ガンの早期発見

CD4リンパ球数に関係なく、女性は1年に1回は検査を受けて下さい。

腹部超音波(エコー)検査 - 肝臓などの腹部内の状態の検査

肝臓機能検査値により肝臓の状態を定期的に診ていく必要があります。特にB 型/ C 型肝炎にも感染している方は要注意です。

※検査は予約制で、午前中にしか出来ません。(朝食抜きで来院)

B型、C型肝炎感染あり
HBsAb陽性/HCV-RNA定性陰性化5年以降 → 1年に1回
HBsAb陰性HBeAb陽性/HCV-RNA定性陰性化5年以内 → 半年に1回
HBsAg陽性HBeAg陽性/HCV-RNA定性陽性 → 3ヶ月に1回
CD4リンパ球数
200以上 → 1年に1回
200未満 → 2~3ヶ月に1回

日和見感染の予防について

日和見感染の予防として、次のことを心がけましょう。

  • 食べ物の中にはさまざまな細菌がいます。食中毒を防ぐために、衛生的で新鮮な物を食べましょう。体調が悪いときには生ものを避けましょう。
  • CD4リンパ球が200以下になった場合、日和見感染予防薬の内服を開始する場合があります。指示された薬(抗HIV薬、日和見感染予防薬など)はきちんと飲みましょう。
  • 感冒やインフルエンザへの感染を防ぐため、帰宅後は手洗いと、うがいをしましょう。インフルエンザウイルスは感染力が強く、免疫機能が正常な人でも感染する可能性が高いので注意しましょう。インフルエンザには予防接種も有効ですが、予防接種を受ける際は主治医にご相談ください。
  • 以下のような感染症の人に接触した場合、医師または看護師に相談してください。発症を予防できる場合があります。

インフルエンザ、麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう) 帯状疱疹、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)、風疹、結核など

また、可能なかぎりこの様な感染症の人に接触しないよう心がけることも大切です。