ご挨拶

臨床研究センターへようこそ

厳しい医療情勢の中で、プラス志向の確かな臨床研究を推進
臨床研究センター 2017

 超高齢社会の進展と最近の医療制度の中で、地域に中核を担う急性期病院をはじめとする医療機関では、現在、さまざまな困難に直面しています。九州医療センターはわが国の代表的な高度総合医療施設として、これまで診療、臨床研究、教育研修の3本柱をしっかりと成長させ、地域医療と医療の質の向上に貢献し、世の中に求められる臨床研究、臨床試験を確実に実践してまいりました。今年は大変厳しい医療情勢の中で病院運営を乗り切り、国立病院機構の重要な事業の柱である臨床研究を、いかにプラス志向で発展させていくかが問われています。

 国立病院機構では臨床研究ネットワークを21分野も整備しており、そのスケールメリットを生かし、大規模な多施設共同の臨床研究が行われています。その中で九州医療センターは脳卒中・消化器疾患・経営管理の領域でリーダー施設として臨床研究を牽引しているほか、他の研究分野もほぼすべての領域で臨床研究ネットワーク コア施設として活発な活動を続けています。さらに全国の大学、ナショナルセンターとも活発な共同研究が行われ、九州医療センター独自の臨床研究でも学会・論文発表が年々増加しています。
また臨床研究センターに付設されている臨床試験支援センターの治験実績は、国立病院機構143施設中、3年連続の第一位を達成しており、肝臓、免疫疾患、がん、循環器領域のほか幅広い診療領域の治験を担当しており、しかも高度な国際共同治験を数多く引き受けています。ICH-GCP基準に準拠した質の高い医師主導臨床試験や先進医療、患者申し出制度に基づく臨床研究に関しても、さまざまな診療科に対してサポートを続けています。

臨床試験支援センターのもう一つのニュースは、平成29年3月31日付けで九州医療センターの倫理審査委員会が実績ある質の高い倫理審査委員会として厚生労働省医政局が認定する倫理審査委員会とて承認を得たことです。今年度までに全国33施設にしか与えられていない、この認定倫理審査委員会には、今後、他の医療機関からも倫理審査を依頼されることが予想されます。
九州医療センターでは、2017年2月末に公布された改正個人情報保護法に基づく臨床研究倫理指針の改正に対し、すべての臨床試験について、その確認と手続きとをしっかりと行っているところです。さらに誠実な臨床研究を実践するため、当院の全医師および臨床研究に関わるすべての職員がe-learning倫理研修を受講しています。

遺伝子検査センターや昨年度、開設された質量分析センターを活用した新たな研究分野についても、研究計画が進行中です。また電子医療情報やビッグデータを活用した診療情報の分析、臨床業務の効率化や医療安全管理など、従来の疾患別研究とは一線を画した医療の質のインディケータ分析についても病院の医療経営管理分野で研究活動を行っています。わが国の代表的な高度総合医療センターの臨床研究センターとして、病院全体の総合力を生かしたプラス志向の確かな臨床研究を発展させ、活発な情報発信をしていきたいと考えています。皆様のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
2017年5月
臨床研究センター長  岡田 靖